新内を始めて見る方で一番驚かれるのが「上調子」
新内が三味線二挺で演奏することはお話したのですが、今回は「上調子」ついて。
新内は、中棹というサイズの三味線を使用します。
小唄や長唄三味線は、細棹。
義太夫などは太棹。
糸の細さもそれぞれ違います。
義太夫津軽三味線などは糸が太く、はじめは指から血が出るくらいだとか。
新内は、本手はだいたい20-1,16-2,15-3
上調子は16-1,11-2,10-3
(専門的な数字の話になってしまったのですが少しでも違いがわかればと思い、一応載せてみました)
これを見ると、本手の二の糸が上調子の一の糸とわかります。
上調子は、三味線に「かせ」と言うものをつけ、音を高音にします。
ギターにつける「カポ」と同じようなものです。
糸も細く、高音なので撥にも違いが。
普通の撥と比べてとても小さく、普通の撥とは逆さに持って弾きます。
この小さい撥は、派によっては鼈甲の所もありますが、大体の派は象牙です。
最近は舞台の上などでは上調子も普通の撥を少しだけ削ったサイズのものを使うことも増えましたが、
お座敷など小さいところでは、皆さんに知ってもらうことも兼ねて、小さな方を使います。
私も個人的には、上調子は小さな撥の方がより繊細な音が出ますので好きなんです。